熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼び，このうち北西太平洋で発達して

　中心付近の最大風速がおよそ十七メートル以上になったものを「台風」と呼びます。

　　台風周辺の地表付近では、反時計回りに非常に強い風が吹いていますが、一様に吹い

　ているわけではありません。進行方向に対して右側の地域（危険半円）では、台風本体の

　風に加え、台風を押し流す空気の流れが加わるため、左側の地域（可航半円）に比べて

　風が強くなります。たとえば、台風が北海道の西海上を北上する場合ようなコースをたどる

　ときは、全道がこの台風の進行方向の右側に入りますので暴風が吹き荒れる恐れがあり

　ます。

　　秋の台風は、上空の強い風、偏西風に流されて移動速度が速いという特徴もあります。

　台風がまだ遠くにいるからと油断しているうちに、あっというまに北海道付近にやってくることも

　ありますので、これからの台風シーズンは台風の動きに細心の注意が必要です。

　台風の中心の位置をおおよそ推定するのに、風の向きを利用する方法があります。台風は

　周辺から中心に向かって反時計回りで風が吹きこんでいますので、風を背にして、左腕を

　やや前に出した方向が台風の中心のおおよその位置ということになります。

　　しかし、台風が去ったあとは大陸から乾いた高気圧に覆われることがよくあります｡台風

　一過の青空には、本格的な秋の気配が漂うようになります。